読書感想|文化と状況的学習

読書感想|文化と状況的学習

上野 直樹・ソーヤー りえこ(編)(2006).文化と状況的学習──実践,言語,人工物へのアクセスのデザイン── 凡人社

本書紹介 from 凡人社

状況論的なアプローチによって、実際のフィールドワーク・会話分析を行なった研究を紹介する一冊。各研究は、状況論の背景にあるネットワークや理論的な出発点を振り返ると同時に、状況論的なアプローチを実際のフィールドで用いようとしたものであり、理論的な解説を超えて、今後の研究や実践に対して多くの具体的なヒント、アイディアを提供します。

本書感想

 状況論の「理論編」と「実践編」から構成される本書。心理学における状況論を独学で学んでいる私にとって,理論編は状況論の理論的背景を知る上でとてもわかりやすく勉強になったし,実践編は実際の研究をどのように行うのかの手引として参考になった。

 本書には状況論のネットワークを形成した場所性の話があるのだが,それを読むと状況論というムーブメントが当時の場所性を抜きにしては語れないことがみえてきた。状況論そのものが「状況」をバックボーンにしているというのは面白い。「不動産」ってやっぱり大事だ。