読書感想|今さら聞けない本当の恋愛入門

読書感想|今さら聞けない本当の恋愛入門

郷田 ゴー(2013).今さら聞けない本当の恋愛入門 宝島社

本書紹介 from 宝島CHANNEL

最強の手段は
ラブレターと
婚活パーティーだ

出会いから会話、告白、デート、エッチまで

誰でもできるカノジョの作り方

独身女性の7割は「彼氏ナシ」という今の時代。それでもカノジョができないのは、アナタの思考と方法に問題がある。「大勢にモテるより1人のカノジョ」「婚活イベントほど成功率の高い手段はない」「美人店員に手書きのラブレターを渡してみたら…」。年収200万円台の冴えない男が体当たりの末に編み出した、カノジョを作るための思考法と実践術を大公開!

本書感想

この本は「コミュ障キモヲタ貧乏人が美女とヤりまくれた!」という本ではない。コミュ力を上げ,キモくなくなり,カノジョを作るための本だ。

p.17,引用者による改行修正

というわけで,本書はモテを目指した本ではなく,あくまでオンリーワンの彼女を作るための方法(実践術)を伝えるための本である。

いつ買ったのか,読んだのかどうかも覚えていなかったが,久しぶりに「頭を使わずに」読めそうな本を読んでみた。

予想通り,「頭を使わずに」読めた。著者は「バカ」である。それ以外の形容が思い浮かばない。手紙をしたためておいて,気になった人に手紙を渡す。そうやって興味を持った相手に接近していく。まだ見ぬ好きな人に手紙を書き,好きな人に出会ったら,その手紙を渡す。手紙とは宛先のある時に書くものだという発想にとらわれない。手紙とは想いを伝えるものだ,そうであれば現実に感じるであろう想いを先に書いていても問題はない。「バカ」にしか成し得ない,既存の価値観を超えていく,イノベーションとはこのことであろう。

でもこのやり方にも問題がある。「オンリーワンの彼女には運命的な出会いをするはずだ!」。そんな夢を抱いている「完璧」な君にはこの手法は使えない。なぜなら,この手法は多くの相手からより良い関係を築いていける相手を探す試みだからである。もちろん,その分,傷つくことも多いし,相手を傷つけることも多い。どちらが良いのかはよくわからない。

本当の恋愛入門は本の中にはない。実践の中にしかない。そのことを著者は自分の「バカ」さを通して伝えてくれている気がする。著者を馬鹿にして終わるか,著者のばかをエネルギーに変えるか。後者の方が良いことは言うまでもない。