読書感想|作って動かすALife

読書感想|作って動かすALife

岡 瑞起・池上 高志・ドミニク チェン・青木 竜太・丸山 典宏(2018).作って動かすALife──実装を通した人工生命モデル理論入門── オライリー・ジャパン

本書紹介 from O’Reilly BOOKS

生命性をコンピュータ上でシミュレートすることにより、生命の本質に迫る「ALife(人工生命)」は、「AI(人工知能)」の発展系として、近年改めて注目されつつある分野です。本書は、セルラーオートマトンやボイドモデルなど、さまざまなALifeの理論モデルを、Pythonで書かれたサンプルコードで実装することで体感的に学ぶことができるユニークな書籍です。雑多な情報を整理して「最適化」する力に優れたAIと比較して、「新たな自然を作り出す」という特徴を持つALifeは、人間の多種多様な創造的行為を支援すると考えられ、その応用先は、デザイン、ゲーム、アート、建築など、創造性が必要となる領域全般に及びます。機械学習の技術も活用するALifeを学ぶことは、AIをすでに活用している読者にとっても、発想を拡げるきっかけになることでしょう。

本書感想

 研究会『Raznorechie』に参加したときに読んだ本です。人工生命について学ぶことは初めてでしたので,わからないことがたくさんありました。

 Pythonを使用し,実際のシュミレーションをみながら学ぶというスタイルでした。人工生命研究者(を目指す者)の教科書として作られており,プログラミングの解説も載っていました。いわゆる「理系」を想定して書かれているであろうため,プログラミング初心者の私にはよくわからないところもありましたが,理論的な部分は「心理」を扱っている者として知っておかなければならないことが多数ありました。

 最近,いまさらですが,「自己組織化」や「ネットワーク」をもっと深めて,自分の研究に取り入れなければならないと思っており,その点からも勉強になりました。関連書籍を読んだあとにまた戻ってくると,本書の理解が深まりそうです。