読書感想|冠婚葬祭のひみつ

読書感想|冠婚葬祭のひみつ

斎藤 美奈子(2006).冠婚葬祭のひみつ 岩波書店

本書紹介 from 岩波書店

しきたり,作法,正式――冠婚葬祭マニュアルにはこんな言葉が溢れている.だがこの100年の間にも儀礼の姿は時代とともに大激変を遂げてきた.「少婚多死」時代を迎え,家族の形が多様化した今,冠婚葬祭文化はどこへ向かうのか.現在の結婚と葬送をめぐる膨大な情報を整理し,「これから」にふさわしい儀礼の形を具体的に考える.

本書感想

 勉強になりました。

 「冠婚葬祭マニュアル」ではなく,冠婚葬祭の歴史や現状をわかりやすく解説してくれています。

 実際には,現実問題として比重が大きい慶事と弔事(つまり,婚と葬)の二つを中心に(p.ⅳ),データと解釈によってそれらを解きほぐす。軽やかな口調(文調?)で進むので,小難しい話も柔らかく読めるとても良い本でした。

 いま,結婚式について色々と調べているのですが,学術的なまとまった本があまりないことがわかりました。そのような現状の中,新書サイズで,しかも学術的にもかなり参考になる本書はとてもありがたかったです。

 コロナ禍によって結婚式・披露宴の在り方が問い直されている現在,本書が教えてくれるコロナ前の結婚式の在り方は,今後を考えるための一指針になるかもしれません。