読書感想|新しい1キログラムの測り方

読書感想|新しい1キログラムの測り方

臼田 孝(2018).新しい1キログラムの測り方──科学が進めば単位が変わる── 講談社

『新しい1キログラムの測り方』 from 講談社BOOK倶楽部

腐食せず、摩耗にも強く、慎重に扱えば10万年は機能するだろうと言われていた「キログラム原器」。しかし、製作から約130年がたったいま、じつはその原器の重さがゆらいでいることがわかってきました。重さの基準が変わってしまえば、1グラムあたりいくらという約束によって成り立っている取引も安心して行えません。絶対に変わらず、誰にとっても納得できる「重さ」の基準とはなにか? 最先端の科学がその難題に挑みます。

「キログラム原器」がなくなる!?2019年、質量の単位の定義が130年ぶりに変わります!

1889年のメートル条約決議以来、世界中のあらゆる「重さ」の基準であった「国際キログラム原器」がその役目を終えようとしています。なぜ新しい定義が必要なのか?単位を決めるとはどういうことなのか?数億分の1をめぐる計測の世界で展開されるメトロロジスト(計量学者)の挑戦を追えば、そこには「単位」と「科学」の深い関係が見えてきます。

2019年に改定される定義は次の4つ・質量の単位キログラム「kg」・電流の単位アンペア「A」・物質量の単位モル「mol」・温度の単位ケルビン「K」

我々が安心して暮らせるのは縁の下でメトロロジストの頑張りがあったからでした──本書感想

何気なく使っている「単位」。その裏でこんなドラマがあるとは。

この話はぜひ中学校あたりで知ることができたら面白いのではないかと思いましたが,大人になって,「測る」ことに興味がでたから面白いのかもしれないとも思いました。

私たちの世界がいかに誰かの支えによって安定しているかがわかるお話でした。