読書感想|マジ文章書けないんだけど

読書感想|マジ文章書けないんだけど

前田 安正(2017).マジ文章書けないんだけど──朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術── 大和書房

本書紹介 from 大和書房

「マジ文章書けないんだけど……」
「えっー! マジ、マジ? それ相当ヤバいよ」

就職活動をひかえた大学生すずは、エントリーシートが書けずに悩んでいた。 そんな時に、文章の達人である謎のおじさんと出会い、文章の書き方を基本から学ぶことに……

・文と文章の違いとは?
・一つの文には、一つの要素
・「だが」と「ので」はできるだけ使わない
・受動態を使って、客観的な表現に
・過去の話でも現在形をまぜると「ライブ感」が生まれる
・「状況」「変化」「行動」、人間の思考に沿って文章を組み立てる
・Whyを使って話を広げる

次第にすずは、謎のおじさんが文章の書き方だけを教えたいわけではなく、文章を書くことの本質を伝えてくれていることに気づいていく…

メール、手紙、ES、報告書、企画書…
あらゆる文章に共通する「書くことの本質」とは一体??

本書感想

文章を書いていると「なんだかこの文は読みにくいな」とか「この文では伝わらないかも」と思うときがあります。

「なんでそう思うのか?」と自分の文章を読み返してみると,「同じ単語を何回も使っている」「一文が長すぎる」などの問題点が見つかります。それ以外にもあるのかもしれませんが,感覚的にしかわからないときもあります。「続けていけば自然と上手い文章を書けるようになるだろう」なんて少し楽観的な気持ちもあります。基本はそこそこに実践から学ぶスタンスです。

それでも確かに上手な文章を書けるようになるのかもしれません。でも,基本という足場がないので,躓いたときにどうやって立ち直ればいいのか分からなくなる恐れもあります。スランプから脱しようと無理にもがいた結果,変なクセがついてますます悪化するといった感じです。

思い返してみると「繰り返しは避ける」「一文は短く」という基礎は高校時代に習っていました。問題点に気づけたのは,その時のおかげなのかもしれません。ということは,基本を押さえておくことで文を改善しやすくなり,より良い文章を書けるようになるはず。基本をしっかり押さえてから実践するスタンスです。

文と文章の基本を簡潔かつ丁寧に教えてくれる本書は執筆の土台を形成してくれます。文と文章の違いから文章の書き方まで,あるいは,文を書き始めることから文章を書き終えるまで,つまり文章のイロハをイラスト付きで解説してくれます。普段は感覚でしか受け取れなかったことをしっかり説明してくれます。伝える文章を書く上での必読文献といっても過言ではないかもしれません。

小論文を書かなければならない中高生,レポートが増えてくる大学生,報告書が必須の社会人など,文章を書く機会は多いけれど文章についてそこまで学んだことのない人全員に是非とも読んで欲しい一冊でした。

これからは本書を片手に執筆活動を続けていこうと思います。