測定の問題

測定の問題

 最近,心理学的な測定についてよく考えています。「心」を捉えるとはどういうことなのかを考えていたら,測定の問題は避けて通れず,否が応でも考えなければなりません。しかし,測定について検討している研究はそこまで多くなく,日本語ではほとんどないと言ってもいい気がします。

 妥当性については(多くはないですが)日本語で読める文献もありますが,「測定」(心理学的な測定)となるとほぼないです。なので,英語で読むしかありません(大変だ…)。

 たまたま検索していたら,「Measurement Matters」という2年前の記事を見つけました。どのような点に測定の問題があるかをわかりやすく解説してくれています。測定に興味のある人は読んでおいて損はない記事であると思います。

 簡単に要約しておきます。

 測定はとても大事だけど,無視されている現状がある。たとえば,うつ病の尺度はいっぱいあるけれど,その尺度の内容を見てみると,重なっている項目は多くないという問題や,妥当性の検証がされていない,独自に尺度を構成するなど恣意的に尺度を使用している問題などがある。そういった不適切な測定は再現性の問題にもつながる。なので,これらの問題を少しでも回避できるように,いくつかの提案をする。測定について考えるには,理論的な知識と方法論的な知識が必要なので簡単ではないけれど,考えたいと思っている人のために勉強用のリストも作成しておく。

 この勉強用のリスト(Measurement matters resource list)についての勉強会したいなあ。同じように考えている人が何名か集まったら計画してみよう。もしよければ,ご興味ある方は仲嶺までご連絡ください。