読書感想|良質な質的研究のための,かなり挑発的でとても実践的な本

読書感想|良質な質的研究のための,かなり挑発的でとても実践的な本

デイヴィッド・シルヴァーマン 渡辺忠温(訳)(2020).良質な質的研究のための,かなり挑発的でとても実践的な本──有益な問い,効果的なデータ収集と分析,研究で重要なこと── 新曜社

本書紹介 from 新曜社

なぜ調査の方法が重要なのか。質的研究の基底にある論理とはどのようなものか。将来的な方向の鍵となる議論は何か。多くのテキストが表面的にしか扱わざるをえなかった調査研究についての実践的な事例とデータ分析の実際の経験を惜しみなく提示。

本書感想

 原著の出版が2013年。本書で提案された議題のいくつかは,議論の俎上にあがっている気もするけれども,まだまだ未検討・未解決な部分も多い。

 ところで,私は「質的研究」の専門的な教育を受けてきたわけではなく,独学で質的研究を学んでいる。なので,質的研究界隈の現状というのが肌身を持ってわからない部分が多い。そういった現状をわかった方が本書を深く読み解けるだろうと思ったので,やはり専門的な教育というのは重要なのだなあと思う。

 ちなみに,『楽しいなつやすみ読書会』という本書の読書会が本日開催される。参加がとても楽しみです。