読書感想|フーゾク進化論

岩永 文夫(2009).フーゾク進化論 平凡社
本書紹介 from 平凡社
フーゾク産業はどのように進化・発展してきたのか?この道30年のベテランが取材をもとに書き下ろす。闇の部分が多いこの商売の、戦後の出発から現在までを丁寧に調べた快作。 「フーゾクは進化している。まるで生き物のように」。
敗戦直後のRAAから出発したニッポンの戦後フーゾク。その後、パンパン、赤線からソープ、ピンサロ、ノーパン喫茶、ファッションヘルス、ホテトル・マントル、出会い系サイト……。
法の規制と当局の取締りをくぐりぬけ、次々に新しい業種やテクニックが開発されてきたこの業界だが、闇の部分が多く、きちんとした記録も残っていない。そのなかで、この道30年になんなんとするベテランが、取材を元に丹念に調査し書き下ろした快作。
本書感想
日本の戦後はフーゾクとともにあった。と言っても過言ではないくらい,フーゾクが日本の戦後文化を形作っていた様子が見えてきます。
もちろんそこには様々な人道的問題もあったのだと思います。他方,そのようななかで,巧みに生きてきた人がいるということも存在していたのだと思います。
本書はあくまでフーゾクの戦後史に焦点をあてていますが,フーゾクを中心とした日本の文化史を描く,そういった構想が可能なのではないかと思わせるほど,微に入り細に入り調べられています。
本書でも述べられていますが,前作『フーゾクの経済学』と併せて読むことで,日本のフーゾク史が俯瞰できそうです。
-
前の記事
読書感想|搾取される研究者たち 2020.08.14
-
次の記事
note更新|卒業論文の書き方 2020.08.17